近視進行抑制治療の選択肢が増えました!!
※近視進行抑制治療は視力を回復させたり眼軸長の伸びを止めるものではありません。視力が安定する18歳くらいまで継続治療することで近視の進行を遅らせ、結果として将来起こり得る緑内障や網膜剥離などの失明の可能性を持つ危険な病気を予防するものです。
当院では近視進行抑制治療の選択肢として、使い捨てソフトコンタクトレンズ・クーパービジョン社『マイサイトワンデー』と近視管理用眼鏡・HOYA社『MiYOSMART(ミヨスマート)』とNIKON-Essilor社『Stellest(ステレスト)』の処方を開始いたしました。これまでは、低濃度アトロピン点眼薬『リジュセアミニ®点眼液』と、「オルソケラトロジー」(ハードコンタクトレンズで視力の矯正と近視進行抑制を兼ねる医療器具を使用する治療法)メニコン社『オルソK』を処方してきました。それぞれ眼軸長の伸びを抑制する効果があるのですが、近視が進んでしまうと適応できない場合もあるので、選択肢が増えて治療を始めやすくなりました。

①『リジュセアミニ点眼液』(参天製薬社)は一回一滴、一日一回就寝前に点眼するもので、単体使用でも他の近視進行抑制治療との併用でも一定の効果を持っています。
一日一回、就寝前に一滴の点眼になるので、他の治療法よりも比較的手軽に導入できる治療法となっています。ただし、毎日忘れずに点眼していただきたいので、保護者様の協力が必要となります。
②『オルソケラトロジー』(取扱いレンズ・メニコン社:オルソK)は夜間の就寝時に装用(特殊な形状のレンズで角膜にアプローチし、視力を矯正する)して、日中は裸眼で過ごすことのできるハードコンタクトレンズです。オルソレンズは使用を停止すると角膜が元の形に戻る(矯正視力も使用前に戻ります)ため、オルソレンズの使用停止後は眼鏡やコンタクトレンズへの移行も問題ありません。
とても魅力的な医療器具なのですが、導入するまでのハードルがやや高いと感じています。なぜならば、保護者様がこの治療法を試してみたいと思っていても、小学生のお子さまが痛みや違和感に耐えられないことが多いからです。
大人の患者様でも、初めてハードコンタクトレンズを装用したときに目が開けられないこともあります。また、近視が進みすぎているとオルソレンズ規格外となり処方することができません。さらに、毎日のレンズケアが重要であり、起床後外したレンズの洗浄・消毒をキチンと行わないと、目の感染症の危険性が上がってしまいます。保護者様の協力が不可欠です。
保護者目線でいくと、眼鏡をかけずに勉強や運動にアクティブに挑戦できるようになったらとても素敵なことと思ってしまうのですが、何よりも治療を受けるお子さまの気持ちが怖さよりも喜びや嬉しさといった方向へ向くように、ご家族で話し合っていただきたいと感じています。
【裸眼で生活したいあなたへ】近視矯正治療 オルソケラトロジー(メニコン社:オルソK紹介動画)

③『マイサイトワンデー』(クーパービジョン社)は使い捨てソフトコンタクトレンズで、視力を矯正しながら近視進行を抑制する機能を持たせるために、同心円状に交互に異なる度数を配置したデザインになっています。こちらのコンタクトレンズは日中装用するもので、慣らし装用が終わった後は1日10時間以上、週6日以上の装用が必要になります。そして、これがメリットとして大きいのですが、使い捨てレンズのためレンズケアを行う必要がなく衛生的です。
ただし、当院では日中装用するタイプのコンタクトレンズは中学生以上からの処方としております。
マイサイトワンデーはほぼ毎日、日中装用するコンタクトレンズで、学校や塾・習い事などの課外活動時には保護者様の監督外となるためです。お子さま自身だけでなく、周囲の環境も含めて万が一の事故防止のためにご理解ください。
継続的に定期検査をしながら治療していくので、購入は併設のコンタクトレンズ販売店での販売となります。
④『近視管理用眼鏡』は眼鏡レンズに特殊加工を施されており、視力の矯正をしながら近視進行を抑制します。当院での処方可能レンズはHOYA社『MiYOSMART(ミヨスマート)』とNikon-Essilor社『Stellest(ステレスト)』です。両レンズとも、一日12時間以上の使用での近視進行・眼軸長の伸びの抑制が優位となっているので、朝起きてから夜寝るまでの終日装用が推奨されています。

HOYA社:MiYOSMART (左図)
D.I.M.Sテクノロジー
レンズ中央は単焦点レンズで視力を矯正し、周辺に1.03mmのレンズをハチの巣状に配置することで、網膜周辺に近視性デフォーカス(意図的にピントをボケさせる)を発生させ眼軸長の伸びを抑制します。

Nikon-Essilor社:Stellest (右図)
H.A.L.Tテクノロジー
クリアゾーン(レンズの中央を含む透明な部分)は単焦点レンズになっており、鮮明な視界を確保しています。クリアゾーンを同心円状に囲むように直径1.1mmの小さなレンズ構造(高度非球面レンズレットゾーン)が11周配置されています。クリアレンズとレンズレットを交互に配置することによって近視性デフォーカスを発生させ眼軸長の伸びを抑制します。
海外では以前から実績があったのですが、日本国内では令和8年6月から厚生労働省の認可を得て販売ができるようになりました。近視進行抑制治療は開始年齢が低いこともあり、コンタクトレンズが使用できない場合(痛みや違和感、近視が進んでしまっている状態)には眼鏡での治療も選択肢としてご用意することができました。
この眼鏡は正確なフィッティングが求められるため、国家資格である「眼鏡作製技能士」の在籍する眼鏡店での取り扱いとなっています。
継続的な定期検査やこまめにフィッティングしながら治療していくので、購入は併設の眼鏡店での販売となります。
最近は、ちびまる子ちゃんをメインキャラにした近視進行抑制を訴えるテレビCMが話題になっていますよね。SNSだけではなく、地上波のTV番組の合間でCMを流すことによって、幅広い世代に効果的に認知されていると感じています。
幅広い世代が知るということは、それぞれの年代の過去・現在・未来を話し合うことによって、近視進行抑制が必要な治療であるとの答えになるかもしれません。
治療をやってみたい、または具体的な治療方法やメリット・デメリットを知りたいなど、お気軽にお問い合わせください。
