コンタクトレンズを正しく使って快適に ~その2・病気編~
新生活が始まる4月頃は、コンタクトレンズを初めて装用する方が多い時期です。特に学生さんは高校や大学に進学するのに合わせて多く来院しているように思います。心機一転!素敵な新生活になりますように(^^)/
初めてコンタクトレンズを装用する方も、すでに装用している方も一読していってください。
コンタクトレンズ使用時の目の病気
コンタクトレンズ使用時には、使用方法を守らないことが主な原因と思われる病気になることがあります。ここで紹介する病気はコンタクトレンズだけが原因でないものもありますので、使用者以外も知っておくと良いと思います。コンタクトレンズ装用時に「なんかおかしいな?」と感じたら、装用を中止して早めに受診してください。
- 角膜上皮障害
角膜(眼球の黒目の部分)の一番外側を角膜上皮というのですが、この角膜上皮の傷や炎症がもとで、目の痛み、異物感、充血、流涙、まぶしさなどの症状が出ることがあります。原因は異物・ドライアイ・薬剤・細菌やウイルスなど様々です。コンタクト使用の場合は、レンズに傷がある状態で使用することや、レンズと角膜上皮の間にゴミや汚れが入ることで摩擦により傷ついてしまうことがあります。また、レンズの間違った扱い方などにより細菌や微生物による炎症を引きおこすこともあります。傷や炎症が深く入ってしまうと「角膜びらん」という状態になり、目の表面に強い痛みを生じます。治療は症状の重さにもよりますが、角膜保護剤・抗生物質・抗ウイルス剤などの点眼治療となります。放置すると傷から細菌感染し、角膜潰瘍まで発展する恐れもあります。痛みを感じたら、我慢せずに受診してください。
- 角膜潰瘍
角膜上皮についた傷から細菌や微生物に感染し、潰瘍を形成してしまう状態です。レンズの洗浄消毒が不完全なために感染することも十分あり得ます。症状は目の痛み、異物感、充血、流涙、まぶしさなどですが、注意が必要なのは視力低下を伴う場合です。重症化してしまうと、失明の恐れまであるためです。治療は抗生物質や抗ウイルス剤などの点眼治療となります。症状が改善しない場合は角膜移植も検討することになります。
- 角膜内皮障害
角膜は5層から成っているのですが、その一番内側の層を角膜内皮と呼んでいます。角膜内皮細胞は角膜内の水分を調節することや、房水内の物質をコントロールすることにより角膜を透明に保つ働きがあります。ここに障害がおこると白濁や浮腫み(むくみ)により目の痛みや視力障害がおこることがありあます。角膜内皮細胞は年齢とともに少しづつ減少していくのですが、細胞が減少してしまう原因の中に年齢だけではなく、コンタクトレンズの使用で酸素の供給不足により細胞が減少することがあり、一度減少してしまった細胞は再生することはありません。治療は抗炎症剤の点眼や、治療用コンタクトレンズの使用などがありますが、根本的な治療は角膜移植となります。
- 角膜新生血管
酸素透過性の低いソフトコンタクトレンズ使用時にリスクが高い病気です。角膜には、細胞に酸素や栄養を供給するための血管はありません。角膜の細胞は涙液を介して空気中の酸素を、房水を介して栄養を取り込んでいます。角膜新生血管はコンタクトレンズの誤った使用方法から酸素不足を補うために、本来あるはずのない角膜内に向かって新たな新生血管が生える症状を指します。透明であるはずの角膜内に新生血管が侵入することで、重症化すると角膜混濁や視力低下がおこることがあります。治療は、一度新生血管が生えてしまうと完全に除去することができないため、進行抑制と症状改善が主な目的となります。薬物療法・抗VEGF薬(新生血管の発生や成長を促す物質の働きを抑える薬)の注射やステロイド点眼、外科的治療・レーザー治療や角膜移植も治療の選択肢にあります。ご使用のコンタクトレンズはすぐに使用を中止し、眼鏡もしくは医師の指示に基づき酸素透過性の高いコンタクトレンズへ変更をしてください。
- 巨大乳頭結膜炎
アレルギー性結膜炎の一種です。結膜のアレルギー反応(花粉・ハウスダストなどのアレルギー反応)により、かゆみや目やに、充血、異物感などがおこります。巨大乳頭結膜炎はアレルギー反応の一部で、まぶたの裏側にぶつぶつとした乳頭(突起)が形成されることがあるのですが、症状の悪化により乳頭が大きくなってしまう症状を指します。コンタクトレンズの汚れや摩擦が原因で大きくなる場合があるため、異物感やゴロゴロする症状が続く場合はコンタクトレンズの使用を控えてください。治療は、抗アレルギー剤と抗炎症剤の点眼薬です。
ここで紹介した症状は、コンタクトレンズを使用することにより発症リスクが上がるものです。コンタクトレンズの使用方法を守れば発症しないというものでもありません。病気のことなどの話題になると、怖くなってしまって必要以上に神経質になってしまうものですよね。コンタクトレンズにはメリット・デメリットが確かに存在しています。正しく使用することによりメリット多めで快適に使うことができ、さらにシニア世代になるまで長く使用できればライフスタイルの幅が広がるのではないでしょうか?
初めて使う方も、これまでも使ってきた方も含めて皆さんのコンタクトレンズ生活を後押しできれば幸いです!!
